第22回 高等学校生徒研究論文[平成11年度]
個人研究の部
テーマ: トレーについて
桑原 まゆみ



目      次
T.序     論
U.調 査 概 要
V.本     論
W.調査 分析等
X.結     論




T 序論

  今、どこのお店に行っても惣菜、肉、野菜等が当たり前のようにトレーに入っています。その理由は、トレーは便利で使い回しが効き価格も安いという利点があるからだと思います。 しかし、その裏ではゴミ処理や環境汚染の原因となるような問題を抱えています。 確かに以前より、トレーを使う量が減ったり、焼却しても安全という環境を配慮したトレを使用したり、お店でトレーを回収したりしていますが、それでもどこのお店でもまだたくさん使用されているのは事実です。
 そこで、それらのトレーは、使用後どのように処理されるのか、大変興味を持ち、実際に包装を行う販売者と、それらを購入しゴミ処理をする消費者の考えを調査し、これからの社会のために、トレーの包装を今後どのようにすればいいのかを考えてみたいと思い調ベてみるとにしました。

U.調査概要

(1)調査方法

 @ 消費者アンケート調査 (任音抽出法)
   調査人数   50人

 A 販売者アンケート調査
   浜松市内のスーパーマーケット10社を無作為に選び、アンケートに協力していただきました。

(2)参考資料

・ エコBOOK
・ RECYCLE (リサイクル)
  〜 地球への思いやり

V 本論 W 調査分析等

<アンケート調査>
@ 消費者側

(1) アンケートに協力してくださった方々
(2) トレーをお店で回収していることを知っていますか?
私が予想した通り、ほとんどの人がトレー回収をしていることを知っていました。 しかし、知らない人が6%もいたことには驚きました。


(3) トレー回収に協力していますか?
 (2)の回収していることを知っているのに対して、協力している人が半分以下という結果について残念だと思いました。


(4) トレー回収に協力している人は、どのくらいの間隔でお店に持っていきますか?


(5) トレーを家庭で再利用していますか?
再利用方法
・ 物入れ
・ お皿代わり
・ 植木の水受け
トレーをゴミとして出したり、トレー回収に協力するだけでなく、家庭で使用できるものは使うといった有効利用する人が予想したよりも多く、半数近くいたので、トレーもそれなりに利用価値があると思いました。


(6) 商品を買う時どのような観点で買いますか?


(7) トレーは必要だと思いますか?
賛成の理由
・物の安全性
・トレー以外に思いつかない
・水分などが出る
・清潔感
・必要だから
・なんとなく

反対の理由
・使わなくても大丈夫なものが多い
・家庭では必要ない
・捨てる時に困る
・ゴミが増える
・トレー以外の袋や入れ物で十分足りる
・他の方法があると思う
(7)の意見はちょうど半数に分かれました。 トレーは、物の安全性や水分の漏れを防ぐといった面から見ると必要だと思いますが、 トレー以外にも使用できる物かあることや、ゴミが増えるといった面から見ると不必要だと思います。だから、今の段階ではどちらとも言えないと思います。


(8)今までトレー回収に協力していた人も、していなかった人も、これからトレー回収に協力しようと思いますか?


(9)トレー以外で現在、回収に協力している物もしくは、これから回収して欲しい物はありますか?

a. 現在協力しているもの
 ・ アルミ缶
 ・ ペットボトル
 ・ びん
  ・ 牛乳パック
 ・ プラスチックハンガー
 ・ ダンボール箱

b.これから回収してほしいもの
 ・ 新聞紙
 ・ 雑誌
 ・ 発砲スチロール
 ・ スーパーの袋
  ・ スプレー缶
 ・ 洗剤スプーン
 ・ シャンプー等の容器


A販売者側

(1) トレーを回収していますか?


(2) 月に回収されるトレーの量はどのくらいですか?


<資料1>
・企業によって回収される量に多少ばらつきがあるものの、かなり多くの料のトレーが回収されています。
・どこの企業も積極的に回収していることがわかりました。


(3) 回収されたトレーはどうなりますか?


(4)(3)で再利用されるとは、どのように再利用されるのですか?
・ 新しいトレーの原料
・ 主にプラスチック商品になる
  (受け皿、鉢、プランターなど)
・ 人が通る道路の舗装材
・ ベンチ、テーブル、机


<資料2>


<資料3>
トレーがこんなにも多くのものに生まれ変わるとは思わなかったので、驚きました。
又、トレー1つをリサイクルするのにも、大変手間がかかりそうだと思いました。


(5) なぜトレ−を使うのですか?

 ・ 刺身等は、トレーに入れないと安定せず商品価値が下がる為   
 ・ 商品の衛生、安全を守る為   
 ・ 売価や添加物の表示をしやすくする為   
 ・ 肉や魚は水分が出てしまう為   
 ・ 軽く、水に強く、低コストな為
販売者の意見を聞くと、トレーを頻繁に使用する理由がわかります。トレーは商品を守ったり、見た目をよくしたりするので、消費者が商品を買う時の条件の1つになると思います。だからトレーに入っているかいないかで売り上げがかなりかわってくるのではないかと思います。今やトレーは、販売者にとってかかせないものだと思います。


(6)これからもトレー回収を続けていきますか?
トレーを大量に使用しているので、資源の有効利用や環境を守るためにも、トレー回収を続けて、リサイクルしてほしいです。


(7)現在、トレー以外に回収しているものはありますか?
、 トレーに入れない
回収しているもの
・ 空缶
・ あきびん
・ 牛乳パック
・ ペットボトル
・ 空ダンボール
・ 使用済み乾電池
・ OCR用紙
・ 卵パック


<資料4>
トレーだけでなく、牛乳パックなども積極的に回収していることが分かりました。

X.結論


 消費者も販売者も以前と比べてトレーに対する意識が変わってきたように思います。
 例えば、アンケート調査では、消費者側でトレー回収をしている人はほとんどいるのに対し、回収に協力している人は約半数はどしかいないという残念な結果はあったものの、販売者側では、アンケート調査をした企業はもちろん、それ以外の企業など、最近ではほとんどの企業でトレー回収を行っているため大体のお店でトレー回収コーナーを見かけるようになりました。また、月に回収される量も、多少ばらつきはありますが、多い所では何百キログラムものトレーが回収されています。これだけの量が回収されているということは、販売者だけでなく消費者も積極的に協力している証拠だと私は考えます。  それから、回収されたトレーについてですが、私は2、3社くらいはトレーを捨てているだろうと予想していました。しかし全ての企業で再利用したり、新しい商品になるという答えが返ってきたので、うれしく思いました。このような傾向は、消費者側にも見られます。少数ですが、お皿がわりなどとして再利用している方がいました。

 これらを総合してみるとトレーは、私たち消費者にとっては不必要な時があるけれど販売者にとってはすごく必要なものです。しかし。トレーは使いっぱなしではなくにリサイクルされているので、トレーを使用することは悪いことではないと思いました。また、ある販売者によると、今後トレーの使用をひかえ、減少化にしていくという意見が出ているので、私たち消費者も、トレーに対してもっと関心を持ち、今まで以上に協力したいです。 そして、現在協力していない方々も今後協力してくれたらいいと思います。